Court Room

 被害者を加害者と取り違え、強引な取り調べで一人の青年のいのちを奪った警察権力の非をただす  

 いろいろないきさつから、ある裁判に関わるようになりました。W大学を卒業した青年が二年前の12月の深夜、新宿駅の階段で「痴漢」の嫌疑をかけられ、あろうことか言いがかりをつけた複数の男性に暴力をふるわれ、さらに駅員からも激しい暴行を受けた(JR駅員は被害者を加害者と誤認し、そのまま警察に引き渡したのだ)。青年は襲撃されているさなかに110番通報し、やがて警察の登場となったが、駅構内にある交番で調べられ、挙げ句に警察署に「連行」された。それはまるで加害者そのものの扱いで長時間におよぶ取り調べ(であって、それは事情等聴取などというものではなかった)を強いられ、翌朝4時過ぎにようやく解放された。「改めて呼び出しがあるから」と言いくるめられた彼は、その二時間余の後に地下鉄早稲田駅のホームから身をなげて轢死したという事件です。25歳だった。被害者は不詳として、青年はその後に痴漢容疑で書類送検されてしまいました。 

 この裁判は、警察の違法な「取り調べ」(ここまでが事情聴取で、ここからは取り調べですなどと警察は言わない。自己の都合でどちらでもやり放題なんです)によって、あたら一つのいのちを失ってしまった青年の母親が東京都(警視庁)を相手取った国賠訴訟です。裁判は始まったばかりで(第一回公判は11/06/14)、第二回公判は11/08/30に予定されています。かぎりなく困難な裁判であることは言うまもでもない。この国の権力機構がいかに理不尽で横暴極まる圧力を気随に行使する媒体(主体)であるか、さまざまな事例が示しているからです。不当な権力の前では人のいのちは木の葉一枚の重み(尊厳)さえも持てないでいます。なんとしても一矢を放ちたいというのが、いかにも分を弁えないで裁判に関わろうとしたぼくの寸志であります。(11/08/27) 

原田信助さんの国賠を支援する会 http://haradakokubai.jimdo.com/