n 憲法三十六条

毎日新聞(09/07/06)

 パチンコ店放火殺人:死刑判決「絞首刑は合憲」 大阪地裁 5人が死亡した大阪市此花区のパチンコ店放火殺人事件(09/07/05)で、殺人などの罪に問われた高見素直被告(43)の裁判員裁判で、大阪地裁(和田真裁判長)は31日、求刑通り死刑を言い渡した。和田裁判長は事件時の被告の完全責任能力を認めた。また、死刑の違憲性については「絞首刑は合憲」と判断した。裁判員裁判での死刑判決は10例目となる。/起訴内容に争いはなく、争点は責任能力の程度と死刑の違憲性の2点だった。検察側は「覚醒剤使用後遺症による妄想があったが責任能力があった」と述べ、死刑違憲性については「死刑が合憲であることは最高裁判例で確立している」と指摘した。弁護側は「統合失調症による妄想に支配され、責任能力は限定的だった」と主張。絞首刑が人体に与える影響に詳しいオーストリアの法医学者らの証言などから「日本が採用する絞首刑は残虐で違憲」と争っていた。(毎日新聞・11/10/31)

 絞首刑は憲法に違反するかどうか、地裁で判断できる範囲を越えているのは明らかで、したがって判決が「合憲」となるのは想定できました。「絞首刑」は憲法(第三十六条)「公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる」にあたらないのだろか。いや、死刑そのものが憲法に抵触すると言いたいのです。(第十一条  国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる)殺人罪だから、何人殺害したから死刑だというのはいかなる理屈から出てくるのか。被害者の感情を慮ってというのは本当らしい嘘であるようにも思われます。被害者遺族になりかわって国家が死刑を執行するのではないからです。遺族とは別個の論理(刑法違反者は断じて認めない・許さないという権力の「威信」)で死刑執行をしているのです。「威信」を示すには死刑しかないとは考えられませんが。今回の裁判が、このような国家の論理の正統性如何を正面から問うに至ったのは、結果的には今後にも大きな裁判の争点となりうる起点となったという点で評価したいと思う。判決に対して弁護側は控訴しました。(11/11/04)