o 裁判員裁判判決 破棄

 母親殺害の男性に逆転無罪 1審裁判員裁判では初 福岡高裁 大分県竹田市の自宅で母親を殺害(10/01/27)したとして、殺人罪に問われた無職男性(51)の控訴審判決で、福岡高裁は18日、1審大分地裁の裁判員裁判の有罪判決を破棄、「責任能力を認めた1審判決は誤りだ」として心神喪失を認め、無罪を言い渡した。最高検によると、裁判員裁判判決を破棄し、全面的に無罪とした控訴審判決は初めて。1審は心神耗弱状態だったと認定、懲役3年、保護観察付き執行猶予5年(求刑懲役6年)としていた。/判決理由で川口宰護裁判長は、引きこもり状態だった当時の生活状況などから、男性は重症の統合失調症だったと認定。引きこもりの生活の中でふと「母親を殺そうか」と思ったとする動機を「了解不可能だ」としたほか、「缶切りや金属製の箸など通常使わない道具で約1時間執拗に攻撃するなど、犯行態様は相当に奇妙」と指摘した。(産経新聞・11/10/18) 

 裁判員裁判が始まって二年余、さまざまな問題を積み残したままで見切り発車したのですが、いまその矛盾点が浮かび上がっています。裁判員裁判は一審のみで採用されました。その判断を可能な限りで尊重するという趣旨の最高裁判断が出ましたが、今回の高裁判決では一審判決を破棄した最初の事例となりました。11月01日、福岡高検は控訴を断念し、無罪判決が確定しました。裁判員裁判は合憲かどうか、その判断が今月16日最高裁で示されることになっています。「絞首刑」は合憲か違憲かをふくめ、これまで歴史と伝統という惰性で運用してきた裁判の在り方そのものが問われ出しているといえるでしょう。(11/11/04)