r 布川事件 無罪確定

共同通信(11/06/07)

 水戸地裁土浦支部が再審無罪判決を下した布川事件で、水戸地検は7日に控訴断念を決定した。ここに、四十四年ぶりに桜井・杉山両氏の無罪が確定した。一人の人生の四十四年とはどんな重みを持っているのだろうか。いかにも往生際の悪い控訴断念だった。無実の人間を無期懲役に処し、果てしない不自由を強要した過ちに対して、検察自身の謝罪はなかった。桜井昌司さんは「四十三年七ヶ月。本当に体が軽くなって、心が晴れた」と語り、杉山卓男さんは「これで普通の人間に戻れる。公民権復活、外国にも行ける」という。(東京新聞・11/06/08) また検察や裁判官に対して「検察は絶対に許せない。見抜けなかった裁判官もわびるのが人としてあるべき姿」(桜井さん)、「検察はこんなもの、自分たちの不正に触れず、時の流れに身を任せるんだ」(杉山さん)とこもごもに、権力の不誠実、いや厚顔無恥ぶりを激しく非難した。  

 詫びることも恥じることも責任を感じることもない権力側の人びと。いったい、こんな理不尽な三権に私たちは身をあずけていいのだろうか。平気で死刑を求刑し、何の疑問ももたずに死刑判決を書く。空恐ろしい頽廃とだというほかない。(11/06/13)