r 今夏もまた、嵐山で

 8月の末に、一年余ぶりで帰京した。おふくろの見舞いを兼ねての京都入りだったが、気の長い養生を祈るばかり。もう一年半以上も病院に入っている。思う存分に語りかけることができないのがもどかしいが、それでもなんとか無事に過ごしている顔を見ると安心する。見舞いは姉といっしょだったが、その帰りにはまた嵐山に出向いた。炎天の下、人気もなく大堰川がうだるような暑さだった。例によって、渡月橋南詰(法輪寺下)の「まつ屋」で食事。この法輪寺は十三参りをした寺であった。その上には岩田山があり、お猿の集団が棲息している。まつ屋ではまずい酒に冷や奴。姉は土産に鰻重を注文していた。当節のうなぎ不足であったためか、値段はなんと昨年の倍もした。(写真左手前の角が小生の指定席)

 翌日は、高校時代の友人が集って、約半世紀ぶりの再会を果たしたのも一興だった。みんなおのれの歳を忘れて、高校生のままの不気味な一面をぶつけ合っていた。けっして同窓会ではなかったが、京都にかえったらきっと連絡せよと言う友人の命令に背くことができなかっただけだ。男ばかり八人の不良が、浮き世の星霜を一瞬であったにせよ棚にあずけて、一夕を過ごした次第。積もる話に花が咲いたけれども、同級生の数多くが鬼籍に入っているのを聞いて、わが身の上を案じたのは本当だ。(12/08/24)