t 春の夜の悪夢だったか

 4月2日、魔が差したとしか思われないが、大学卒業以来の同窓会をもった。一友人(同級)がニュージニーランドに永住していて、年中行事のように観桜のために帰国している機会をねらってのことだった。後ろを向くのは嫌いだから、偶然に出会った人(同級生として)との再会も好まないできた。それがなんと四十数年ぶりに会おうじゃないかとなったのだから、不覚を取ったが後の祭りで、後悔はしていないが、会わなくてもよかったなあという思いも残った。集まったのは七人。不思議なもので、懐かしいねえという気分がいっこうに沸いてこなかったのはどうしてだろう。半世紀とはいわないが、それに近い年数の人生経験をそれぞれがつんできたのに、まったく学生時代そのままの風体であり、物言いであったのにはまったく驚いた。一別以来の時間が瞬くまに消えて、四十数年前の顔立ち・口ぶりが目の前にいた。春の夜の夢だったのかしら。酒が飲めなかった人はあいかわらず呑めなかったし、呑んでからむ奴は同じようにからみまくっていた。三つ子の魂百までというけれども、こうなると百どころではないんじゃないのかとぞっとした。もちろん、小生にしたところで御同様で、途中から帰りたくなったのに、そこに居続けたのは酒飲みの意地汚さであったか。でも、もう同窓会には参加しない。高校時代の同窓会にも毎年のように誘われるが、これにはまだ、魔が差さないでいる。これからもそうだろうという自信がある。深酒をして、例によって午前様だった。翌日(じつは当日)は入学式で、二日酔いそのままの無駄話をしてしまいました。深謝のみ。新入生のみなさん、いつも赤面ばかりしているわけではなく、時には素面の時もあるのですよ。(12/04/03)