p 「信なくば、立たず」だってさ

 「信なくば立たず。政治家は本来、高潔で礼儀正しく嘘をつかない存在でなければならないが、どうも違うと思われている」(産経・11/06/07) これはだれの発言か。もちろん、菅総理がごねて粘って、一向に辞めないのは論外にしても、むしろ辞めさせられない方に問題〈弱み〉があるからだ。政治家は「高潔で嘘をつかない存在」という嘘を平気でつく人間〈政治家〉はきっと名うての不潔で嘘つきだと思われる。だとしたら、この人しかいない。だれあろう、鳩山だ。嘘で塗り固めた人生を歩いた人だからこその迫力〈なんか微塵もないが〉ではなく、真実味が漂っている。貴様と俺とは嘘つき同士。嘘とは、ばれるから嘘で、はじめから嘘が顔を出しているのを嘘とはいわない。なぞらえられた両者(狸と狐)には申しわけないけれども、いずれが狸か狐かな。いかにも虚が偽を詰る風体は見られたものじゃない。

 嘘から出た誠という。誠と嘘は出自が同じい。誠から出た嘘もある。家康は嘘(偽)らしい真と真らしい嘘(偽)の彼我の深甚な差を述べた(「真らしき嘘はつくとも、嘘らしき真を語るべからず」)そうだが、現下の嘘つき同士は真も嘘(偽)も判別する能力を著しく欠いている。列島住民の不幸は、こんな輩に議席を与えてしまったことだ。あるいは選挙民は嘘らしい真を狙ったのか、それとも家康ばりに「嘘らしい真」を期待したのか。同じ穴の狢、または「偕老同穴」とはこの鳩菅コンビにふさわしいが、さて、列島住民はどの穴に入ればいいのか。また新しい狢を引っ張り出そうとしている狢たち。永田町は狢の巣窟だというのは先刻(仙石)承知済みだが、まるでクローンみたいなのはどうしたことか。(11/06/13)