u 普天間問題とはなにか

 現下の普天間問題の所在はどこにあるのか。さまざまな報道がなされているけれども、いっかな問題の深奥がみえない。無能で無定見な時の首相や政党のていたらくをあげつらうばかりであったなかで、一つの記事に教えられた。鹿野政直氏(朝日新聞・10/05/24)の書かれたものです。

 普天間問題が明らかにしたものはなんだったか。「少なくとも二つの大きな問いがわたくしたちに投げかけられている」という。その一つは沖縄県人の主張の核心が「基地の『移転』『移設』でなく、その『撤去』『閉鎖』であるということ」、もう一つは「『基地の島六十五年』という歴史意識が、圧倒的に共有されつつある」という点だとします。それはまた、この六十五年、本土(私たち)がむさぼってきた「安保の上の惰性」を痛打する。

 この事態においてなにが可能か。「問題を国内次元に収斂させることではなく、米国政府・軍に正対することではないだろうか」というのです。本年は安保条約再締結の五十周年に当たる。だからこそ地位協定の改定、「おもいやり予算」の廃止、普天間基地の閉鎖、この三点を日本政府は提起すべきだという指摘は、自国の自立に向けた一歩であり、それはまた本土の人間として「沖縄の呻吟にせめて呼応する道」になるという明白な示唆でもあります。

 一時の野次馬根性がもたらす喧噪、あるいは嘲笑・揶揄にうつつを抜かすことなく、私たちが問われている問題の質やその求めるべき方向を見失いたくないものです。(10/06/01)