z 希望退職

 ここ何年もの間、新聞記事につねに登場することばのひとつに「希望退職」があります。まるで明るい光が差し込むような錯覚を起こさせますが、要するに会社(経営者)の不始末を肩代わりさせられる社員の悲哀を隠蔽するための詐術だとしか思想われません。希望退職者を百人募集したところ、なんと二百人も応募したなどというジョークにもにもならない話が多発しているのです。

 「希望退職」などという人間の尊厳を虚仮にするような言葉遣いは金輪際使わないこと。労働がここまでおとしめられた時代はなかったかも知れない。地方で一番、業界で一番、日本で一番、世界で一番というわけのわからない「イチバン病」に罹患したこの国に明るい未来はありませんし、「希望就職」ならぬ「希望退職」が死語とならないかぎり、わたしたちにはそれこそ「希望」はなさそうなのはたしかです。(09/12/12)