l 横浜女学院

まるで恒例のようになりました。今回で何度目になるのか。いずれの学校も進学実績を積み重ねるためにたいへんな苦労や無理を通している。大学の現実をみれば、受験勉強などというのは若い人びとをひたすら苦しめているだけではないのか、はたして大学というところはそれほどに苦しい思いをして入るに値するのか、そんな思いが沸々とわいてきます。こんなことは今に始まったことではありませんが、年を経るにつれてその苦行は激しくなるばかりではないかという実感をもたざるを得ないのです。もう何年も前にこの学校から初めて勤め先の大学に入学した学生が、小生担当の演習に所属したという因縁もあって、授業の回数を重ねてきましたが、高校の教室における授業は大学のすすめというよりは、もっと時間をかけて別の道を歩いたらどうかという、奇妙な成り行きとなってきました。職に就くというのがひとそれぞれの当面の課題だとして、はたして大学に進学するというのは、月給取りになるばかりという事態をわが身にひきつけて考えて欲しいと願うからです。 

 今回の拙い授業の真意がどこまで生徒諸君に伝わったか、まことに覚束ないことですが、身の丈にあった生き方を求めるためのささやかなヒントになったら、まことに幸運だと思うばかりです(12/10/12)。