s 自由学園という学舎

 都下ひばりヶ丘にある自由学園に行ってきました。約十万㎡もあとうかという緑に覆われた広大な敷地に点在する建物群。土曜日の午後、児童生徒たちはそれぞれ構内の各所にある持ち場にかかりきりになって、「仕事」に精をを出していた。今夏でもっとも暑い日となったが、子どもたち(初等部から高等部)のかいがいしい働きぶりは見ていても気持ちがよかった。広い構内を三人の生徒に導かれて散策しながら、一つ一つが特徴を持った建物にも魅せられた。「大正自由主義」の時期に誕生を見た多くの私立学校と同様に、創立者(羽仁もと子、吉一夫妻)の強い信条(思想しつつ、生活しつつ、祈りつつ)に基づいて歴史を重ね、本年4月には創立九〇周年を迎えたという。

 原則的には全寮制で、日常生活の万般は生徒たちによる管理運営に委ねられている。男子部の食堂では保護者の手になるボリューム一杯の昼食が進んでいたが、ここで一言と、自己紹介を求められた。まるで時代に背中を向けたような学園の姿にさまざまな思いを抱いた。子どもたちと授業をしてほしいという依頼もあり、これからも何度か足を運ぶことになりそうな予感がしている。(11/07/09)