為し得ること何をか残す老の春

 人並みに齢を重ねて、そぞろに気が重い。あらたまってわが身のつたなさをかこつばかりである。掲句は富安風生氏。このとき、彼は卒寿前だったと思う。それからすると、小生など「何をか残す老の春」などというのも生意気千万で、老いを云々する資格はなさそうである。いわく、「人並みに」というのはわれもまた、市井の一庶人たらんとして、まだ足りないと自覚を働かせるべきなのだろう。

 身につまされて、みずからの足跡をふりかえるような惨めな所業には及ばない。「まだまだ、まあだだよ」と言い募りながら、ささやかに歩きつづけたいと、これまた平々凡々の日常を営むほかあるまい。(14/01/06)

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