無為といふこと千金や春の宵 

14/04/03 新たな年度が始まりました。学生時代のあともなお、半世紀近くにおよんで、四月が事始めであった。春うららの卯月に心して一年の無事を祈りつつ、ささやかな身の上をしもささやかなりに恃むところがあったと、われながらに思う。しかし、いまはまた、別乾坤にわが老躯をおく次第となりました。人の生(世)に「老後」だとか「余生」などというものがあるのかどうか。その言い草は、まるでお釣りか、余り物の感がぬぐえない。ぼくにはおよそありえない爾余という気がするばかりです。思いあまってというわけでもないけれど、房総の山中に、これまたささやかな庵(いおり)を興して、爾余ならぬ痩身を奮い立たせようという殊勝な気分に襲われたのです。「帝力なんぞ 我にあらんや」と。 長生郡長柄町山之郷に仮寓する四月の風は狂おしいばかりだ。表句は風生。(14/04/03)

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