石楠花の紅ほのかなる微雨の中 

 気がつけば今日は土曜の入り。立夏を前にしてものみな装いも新たに身だしなみに精を出している。小さな庭の海棠は見事に花を開いてくれた。なけなしのネコの額の土一升だが、それでも季節を演出するのだから、頭が下がる。また数本の山吹もまた、可憐な黄花で飾ってくれた。青邨の句にあった。山吹にすこしの風もなく暮れぬ かくして、わが眼前に石楠花の百花がいまを待ちかねて爆ぜようとしている。(表句は蛇笏)横を見れば、白椿の落花狼藉。場所を選ばず、人を選ばない木々や花々に頭を垂れるばかりである。芭蕉もそれを愛でている。草いろいろおのおの花の手柄かな

 春は名のみの風の寒さやと歌おうとして、もはや列島(劣等)の各地には夏日が到来している。夏日とはなんのことかしらないが、いずれ役人の無粋な仕業にちがいない。夏日であれ、春日であれ、森羅万象にいのちの宿る果報をつゆ疑わない、そんな健気な日常をだれにも邪魔されたくない。「帝力なんぞ我にあらんや」 風塵のあまた降りける春の宵(無骨)(14/04/17)

カテゴリー: News Room パーマリンク